十日ほど前に「ミズバショウ」が開花しているのではと、「大野池」へ行ってみたところ、まだ葉が出始めたばかりで白いほうは見られません。その後暫く温暖な日が続いていましたので、改めて期待しながら出かけてみました。
「エルムの森」と「大野池」周辺の可憐な春の花たち
正門を入り右折すると左側遠方にブルーシートが敷き詰められたかと思うほど一面がブルーになっているところがありました。何故、ブルーシートが?近づいてみると「エルムの森」の一角一面はブルーの小さな花の群生地。正に満開の花々です。花の形や葉はこの時季に咲く「キバナノアマナ」にソックリです。
「エルムの森」は「キバナノアマナ」と「チオノドクサ」の群生地で、花の共演が見られます
ニラに似た葉は「キバナノアマナ」と瓜二つ。けれども「キバナノアマナ」はその名の如く花は黄色。ブルーの「キバナノアマナ」?と、勝手に思い込んでしまったのです。(*帰宅してから調べてみたところ「チオノドクサ」と判明しました。ギリシャ語です。)
目を凝らして辺りをよく見ると、「エルムの森」は「キバナノアマナ」の群生地でもありたくさんの蕾が今にも開花しそうです。間もなく、「キバナノアマナ」と「チオノドクサ」の楽しみな共演が始まり一斉に咲くさまは見応え十分でしょう。
「キタコブシ」の白い花が「キバナノアマナ」と「チオノドクサ」を見守るように
「キバナノアマナ」と「チオノドクサ」を見守るように一株の巨木「キタコブシ」が枝を大きく広げ白い花を付けています。写真では「キタコブシ」の木の幹は良く撮れていますが、残念なことに花は殆ど目立ちませんので悪しからず。逆光だったからでしょうか。
「大野池」の「ミズバショウ」と周辺の「オオウバユリ」
更に「大野池」へ向かいました。メイン道路から「大野池」の「ミズバショウ」は全くといってよいほど見えません。気落ちしていたところ、やがて木道を進むと「ミズバショウ」のシーズン到来を感じさせられました。寒さを耐え忍び躍り出てきたかのように思われる「ミズバショウ」。
二つとして同じ表情はなくそれぞれが個性的で盛んに自己主張しているようです。どこからかオカリナの音色が聞こえてきました。オカリナの優しい響きの中で「ミズバショウ」を愛でるとは、優雅そのもの。
芽生えたばかりの「オオウバユリ」?
土手を上がると「生態保護地域 関係者以外立ち入り禁止」となっている「オオウバユリ」の群生地です。芽生えたばかり?の褐色を帯びたビロード状の大きな葉、如何にも存在感を示していました。「オオウバユリ」は短期間で背丈を越すほどみるみる生長していきますので、またの機会が楽しみです。
昨年度の北海道大学構内は、学生の姿はあまり見られない日が多く閑散としていました。歩いていると、講義に急ぐ自転車通学の学生が大勢行き交っています。暫く続いていたオンライン授業から対面授業へ・・・、なのでしょう。
調べてみました
「チオノドクサ」 ヒヤシンス科 チオノドクサ属
ヨーロッパの山々を生息地とする高山植物の一種。ギリシャ語で雪「チオン」と輝きや栄光を表す「ドクサ」を組み合わせ「チオノドクサ」。わが国では主に園芸種として庭先などに植ええられ、春を告げる花として珍重されているそうです。北海道でも庭先で見られるところもあります。
「キバナノアマナ」 ユリ科 キバナノアマナ属
多年草、花は茎の先端に数個が散形状に付く、花被弁6個、本州では準絶滅危惧種に指定している県があります。
ヒメアマナ(北海道、本州、九州に生息する)、キバナノアマナ(北海道、本州に生息する)、エゾヒメアマナ(北海道、南千島に生息する)
*「チオノドクサ」と「キバナノアマナ」とは、花の色はさておき、葉など見た目はよく似ていますが全く別な「科」の植物でした。
「ミズバショウ」サトイモ科 ミズバショウ属
白いのは花ではなく仏炎苞で本当の花は中心部。葉の形が芭蕉に似ていて水辺に生えていることがこの名の由来。