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日記

「化石が語る北海道の独自性の背景」令和5年度 第1回 文化財講演会』かでる2・7

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北海道に生まれ、当たり前のように日々を過ごしています。改めてその北海道の歴史を「化石」から学ぶ機会を得ました。「北海道の歴史」に関する講座を数度受講しましたが、今回の「化石が語る北海道の独自性の背景」にも興味津々でした。

演題 化石が語る北海道の独自性の背景 令和5年度 第1回 文化財講演会

講師:札幌市博物館活動センター 学芸員 古澤 仁氏(博士『理学』専門は古生物学)

主催:(一般財)北海道文化財保護協会

日時:6月17日(土)13:30〜15:30

会場:かでる2・7ビル(札幌市中央区北2西7)

定員:50人(申込順)

受講料:一般(非会員)700円 保護協会会員無料

1、化石の発見は偶然か

1億数万年について2時間で話すことになります。北海道の哺乳動物化石発見記録は・・・。

○動物の死体は陸上では鳥や他の肉食動物によって捕食されてしまう。海でも生物のご馳走になるので、一定期間止まることはない。捕食されては消えていく。たまたま偶然土砂が死体を覆うと、時が経て同様に化石になっていく。その化石がその生物が間違いなく存在していたという証になる。水や空気に触れず、初めて必然的条件が重なり残った。化石は地殻変動や崖崩れで表れ、河川が作用するチャンスもある。好奇心や探究心のある人間によって発見されなければ表れない。幸運な条件が重なった場合だけなのだ。

○北海道の独自性

北海道の化石は、1955年〜1973年の高度経済成長期に多く表れた。北海道の最初の化石は、1969年の忠類村のナウマン象の発掘。地元の化石は地元で発掘しなければならない。北海道大学の木村先生が発掘に関わってから多くが出てきた。北海道の化石は石狩と空知にまたがり、かつて海のあったところで石狩低地帯に多い。

デスモスチルスの発掘は1977年。1978年に深川で地元北海道の人間で発掘できた。1980年滝川市で大型のカイギュウ発見。その後、沼田町、足寄町でも研究活動を行なっている木村先生の存在が大きい。

○蝦夷地開拓と化石の関係

1851年(嘉永4)「蝦夷婆南誌」松浦武四郎 未開地開拓と経済的関心から行い、望来の化石や雨竜川の化石の記述がある。

1854年(安政元年)「蝦夷地旅行記録」依田治郎祐 厚田望来の化石

2、札幌の化石が語る北海道の独自性

地球が動いている(今でも活動している?)証として地震がある。6億6千年前の地球の動きとして、マグマが冷えて固まっていく過程で海水の影響があった。地球の内部は6000度で対流し、地球の表面が動く。日本列島は西からのユーラシアプレートに東からの北アメリカプレートが、北海道でぶつかる。1億3千年前の日本は、北海道の独自性を生んでいく。太平洋プレートが潜り込む。800万年前は石狩トラフで、サッポロカイギュウや大型セミクジラ。500万年前の海底火山の堆積物が藻南公園や豊平川に見られる。石狩トラフの海が小さくなっていった証。札幌周辺の山々ができた。西からのユーラシラプレートと東からの北アメリカプレートのぶつかり合いが月寒丘陵・野幌丘陵・馬追丘陵に表れている。日本海と太平洋を結ぶ石狩低地帯で日本ではここだけである。

○サッポロカイギュウの発見

カイギュウはジュゴンやマナティーの仲間。ステラーカイギュウは人間によって絶滅した。ステラーカイギュウの毛皮や肉などが当時のロシアにとっては貴重品で取り尽くされてしまった。当時は種を保存するという考えはなかった。ロシアのピュトル一世はカムチャッカ探検隊を1739年に天文の黒船として根室や房総沖に派遣している。ペリーの浦河沖来航より早かった。1740年ベーリングはユーラシア大陸とアメリカ大陸は離れていることを発見。後にベーリング海峡と名づけられた。

○ロシアとの歴史的関係

ロシアの南下はなぜ行われたのか。南極大陸と北海道は当時の地図に描かれていない謎の地だった。ロシアは薪と毛皮に不足していた欧州へそれらを売り、さらにジパングを検証していた。アメリカは燃料としての鯨油確保と薪・水・石炭の補給でアジアとの交流のため日本へ。金山開発と寒冷地作物耕作地化の指導に努めた。

「小金湯クジラの発見」もあり、札幌の自然・歴史・文化を記録する本格的な「博物館」を建てたい

人と人材育成が必要で、これらを繋いでいく子供たちを育てたい。まだまだ札幌に眠っている地層から見い出せる未知の世界を探求していきたい。

*「札幌博物館」建設には賛同します。しかし、そのような運動が行われているにニュースを耳にしたことはありませんでした。偉そうなことを述べさせていただくと、新聞やテレビ・ラジオを通して一般的にアピールしていく必要があると思います。若い方にはSNSでしょうか。お金がかかります。財源確保をどのように考えているのでしょうか。土地・財源などのプラン立てが必要だと思います。既になさっていると思いますが、官庁への働きかけは?

*考古学に興味のある子供たちを育ていくことが大切です。これからの日本はひたすら人口減少の道を歩んでいきますので、他分野に渡って人材不足になるだろうと言われています。人材確保使用と取り合いをするのではなく、その人一人一人の個性や興味関心に沿って学び成長させていくいくことが大人としての使命でしょう。たとえ子供といえども人格を持った一人の人間です。

 

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