日記

『没後50年 神田日勝 大地への筆触「ここで描く、ここで生きる」』、「北海道立近代美術館」にて

「北海道立近代美術館」で『没後50年 神田日勝 大地への筆触「ここで描く、ここで生きる」』が行われている。近くなのでいつでも行けると考えていたところ、今日が最終日。神田日勝はNHK連続テレビ小説「なつぞら」の山田天陽のモチーフとなった画家だ。1937年東京に生まれ、第二次世界大戦の戦火を逃れるために一家で北海道に移住し鹿追に入植する。

荒れ地を開拓する厳しい生活を送りながら、絵画へ目覚め才能を発揮していく。作品は主に直接ベニヤ板にペインティングナイフという技法で描いている。「結局、どういう作品が生まれるかは、どういう生き方をするかにかかっている。」の言葉を残し32歳の若さで病没した。

「北海道立近代美術館」周辺は晩秋の風情そのもので、正面玄関前の池に写し出された紅葉が美しい。マスクをして入館と同時に体温測定、手指の消毒、緊急連絡先の記入を行う。最終日でもあり少なからず賑わいを見せていた。残念ながら作品の写真撮影はできず。当たり前かもしれないが、問い合わせると稀に可能なところもあるのだが。

プロローグ

壁と人

プロローグから1.、17.と進み、18.柵と人 この辺りで作風が変化した様に感じた。23.茶色い壁と人が描かれていて、その人はどこかより一層深い悲しみをたたえている。

牛馬を見つめる

馬は家族とともに生活していく仲間であるという「農民画家」としてのイメージが強く表現されている。

32.馬 写実的で目が優しく、毛並みがリアルに描かれている。40.牛 死んだ牛の腹はガス抜きのため割かれていて、赤色が強烈な印象を与える。41.静物 他とは題材が異なり当時の十勝地方で収穫された農産物や魚。冷害と離農が繰り返された時期。

画室・室内風景

一見、似たような作品に思えるが、異なる画室と室内風景。アトリエではなく画室なのだ。なぜ同じモチーフで描き続けたのであろうか。鮮やかな赤色の色彩が際立ち心の奥底を表しているのかもしれない。48.室内風景 孤独に描き続けた己の姿が投影されている。多数の絵の具、空き缶が細部に渡って描かれていて。

アンフォルメル(非定型)の試み

タッチと色彩がこれまでとは全く異なり、抽象表現主義の影響を受けている。秘めた激しい内なるものを感じた。表現の激しさが増してきている。

十勝の風景

美しくのどかな十勝の原風景が描かれた小品。

エピローグ 半身の馬

「半身の馬」はベニヤ板にペインティングナイフで描かれていて未完成の作品。優しい馬の眼差しが印象的で、ベニヤ板に残された鉛筆の線が未完成であることを物語っている。

ロビー展示 吉田 傑  半身の馬 ダンボール

「北海道立近代美術館」を後に

「神田日勝」は独学で自分自身の絵画の世界を確立していった。東京生まれで一家で移住し未開の原野を開拓していったのだから、想像を絶する過酷な世界だったのであろう。才能を封じ込めることなく開花していったのは立派だ。開拓のどうにもならない過酷さが、絵画の変容に現れているように感じた。

後半のアンフォルメル(非定型)は、岡本太郎ではないが「芸術は爆発だ」を思い起こさせた。他の画家からの影響があったとはいえ、これまでにない表現方法と色彩。

人物が描かれているが、その目がどれも悲しみを帯びているのだ。優しい馬の目と対照的。

先日、この辺りをウォーキングしていたら「地下鉄に乗りたいのですが、この道を行くと良いですか。」と声を掛けられた。全く逆方向へ歩いていたので、地下鉄駅近くまでご一緒させて頂いた。「北海道立近代美術館」の敷地は広いので、間違いやすいのかもしれない。

その方は『没後50年 神田日勝 大地への筆触「ここで描く、ここで生きる」』に感動し二回目の入館だったとか。その時、私も是非訪れようと考えていたが、今日の最終日となってしまった。前庭の彩りに秋の深まりを感じながら帰路につく。

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