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日記

『迷宮の世界を探訪する「砂澤ビッキ展」』彫刻・工芸・絵画・書の分野に表現世界を構築して 北海道立近代美術館にて

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朝から晩まで一日中降り続いていた雪が、やっと止みました。一月程前から「砂澤ビッキ展」(北海道立近代美術館)が、開催されています。ご存じあげた方ではなかったので二の足を踏んでいたところ、ポスターの巨木抽象表現にひかれ足下が落ち着いた日を選び出かけてみました。

「北海道立近代美術館」入り口モニュメントは、北海道が生んだ世界的な彫刻家 安田 侃(やすだ かん)さんの作品です。休憩ができるベンチにもなっていて心憎い程思いやりが伝わってきます。

「北海道立近代美術館」内に一歩足を踏み入れると、パット目を見張る空間が広がります。

新鮮ナ太陽ヲ見ル。迷宮を行く。「砂澤ビッキ展」

北海道立近代美術館 2022.11.22(火)~2023.1.22(日)9時30分~17時

~パンフレットより(抜粋して)~

砂澤ビッキ(1931~1989):旭川に生まれ、独学ながら彫刻や絵画に自己表現の道を見出した異色の造形家です。大自然に抱かれた音威子府の旧小学校をアトリエ兼住居として、巨木と向き合い抽象表現を進化させた。彫刻・工芸・絵画・書の分野に表現世界を構築した。野外彫刻≪四つの風≫をはじめとしてモニュメンタルな大作を展開し、57歳で急逝。本展は約270点、迷宮の世界を探訪します。

*展示室内の写真撮影はできませんので、パンフレットで一部を紹介するのみです。

Ⅰ触れる、動く、動かす

樹兜虫、樹蜂、樹蠍、樹蟹 横の長さ4~5㍍はありそうです、樹海老 縦の長さ4~5㍍はありそうで触角も同様です、樹鮭、樹鰈・・・木、樹で制作されているという意味でしょうか。樹齢数百年を思わせる大木を、一彫り一彫り手彫りした跡がわかります。樹木の選定、乾燥等では日々を費やしてから手彫りをし大型の作品へ。想像できないほどの根気、執念・・・、ここへどう表現してよいのかわかりません。

Ⅱビッキ芸術の起点 1950年代、阿寒湖畔で木彫アクセサリー制作をして販売した先駆けです。

ペン画にビビッドな彩色を加えた絵 造形家という意識はなく、ビッキのことばとして「彫刻家とも絵描きでもなく今の時代に生きる」

長尺の巻物 ロールの障子紙に20㍍の作品20本400㍍にも自己の点在なり接点がある アニマルから迷宮へ

Ⅲ木の巨塊に触れて

札幌宮の森「アトリエ・モア」、音威子府筬島「アトリエ3モア」、筬島小学校のアトリエでは体育館と教室で大作を制作しグラウンドでは木材を積むことができた。

風 一本のナラの大木から、二つの椅子を二つに切って組み合わせ自由にした。横3㍍、高さ2㍍はあろうと思われる椅子を巨木から制作。

実際に作品を写真撮影でお見せできないのが残念です。巨塊から制作した椅子を見て、その大きさから「屋久島」の縄文杉を連想してしまいました。十数年前の旅で実際に目にした「縄文杉」は想像以上の巨木で深く感銘を受けたものです。太古の昔、北は北海道、南は屋久島や他の島々までを含む日本列島にはこのような手付かずの巨木が林立していたのでしょう。屋久島を訪れた際も、未開の樹林帯には縄文杉以上の巨木も存在するだろうと島の方は語っていました。未だ分け入ることはできない未開の地があるのだそうです。

これだけ開発が進んでしまったように思われる北海道にも未だ未開の樹林帯が存在しています。「砂澤ビッキ」さんが制作された作品がその巨木の一本がなのかもしれません。国立公園内や私有地など、複雑な問題があるとは思いますが・・・。

Ⅳ生活のなかの彫刻

木面 器、帰、生、企、寄・・・と、「き」の表現です。これらも「木」や「樹」からきている「き」ではないかと思われます。

棄面、生面、樹面、帰面、器面、・・・「面」となっていますが、目・鼻・口・耳等がある「顔」ではありません。楕円形の顔の大きさの木面に独特な掘りが施されています。怒りや笑い、悩み、悲しみ、哀しみといった顔の表情なのでしょうか。

芸術家というより思想家・哲学者と言っても過言ではないのかもしれません

彫刻・工芸・絵画・書の幅広い分野に渡って表現されていますが、ことば、それだけでは語り尽くせない哲学的な意味合いがあります。ひと言「迷宮の世界」がそれを物語っています。「砂澤ビッキ」さんは多才な方であり、思想家・哲学者です。

是非、足をお運びいただいてご自分の目でお試しになることをお勧め致します。

「北海道近代美術館」の二階から冬の佇まいを

二階の展示室を見終わりました。そこは、ガラス張りの広い空間です。

~安田 侃(やすだ かん)「天秘」

北海道が生んだ世界的な彫刻家 安田 侃(やすだ かん)さんの作品がありました。「創成川公園」「中島公園」「札幌コンサートホール」等、札幌市内の至る所で安田 侃(やすだ かん)さんの作品が見られます。

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