DSC_2130

日記

「北海道庁旧本庁舎」のスイレンが咲く池を巡りながら思うこと

投稿日:2020年7月9日 更新日:

この二週間あまりのえぞ梅雨で、雨の日が続いている。日照時間が平均の40パーセントしかないとか。昼間も薄暗いどんよりとした曇り空に気持も滅入りがちになりそうだ。今朝も案の定曇り空で、雨が落ちていなかったのを見計らって、軽くジョギングをした。

朝食を済ませていると、傘マークの予報だったにも拘わらず、太陽が雲間から顔を出し始めた。何日ぶりの太陽だろうか。空模様を心配しながら、所用で街中へ出かける。道端のアジサイの蕾が膨らみ、そろそろ色をつけ始めていた。雨とアジサイは何故か不思議に調和する、北海道にもそんな季節が訪れたようだ。

これまで、観光地としてのイメージが強すぎた「北海道庁旧本庁舎」

「北海道庁旧本庁舎」の横を通るとスイレンが咲き始めていた。帰りに寄ってみよう。しばしばここを通る度に何時でも中庭に入ることができると思いつつ、ゆっくりと巡ってみたことはなかった。そして、これまでキャリアバックを引いた外国人観光客で賑わい、地元民のためではなく観光地としてのイメージが強すぎた。今は観光客らしき外国人は皆無に等しい。

中庭は都会の中の静寂そのもの

中庭に足を踏み入れると、そのイメージが一変してしまった。都会の中の静寂そのものなのだ。ここまでよく自然が残されているものと思う。「北大植物園」、「知事公館」然り。巨樹と古木の中を通り池の周りの遊歩道を巡ることができる。木々の間を野鳥が飛び交う。湖面には赤と白のスイレンが丁度見ごろで、カモたちがゆっくりと戯れている。池の側で佇んでいると、何と大きな錦鯉が寄ってきた。この池に錦鯉もいたなんて驚き。

「北海道庁旧本庁舎」の歴史を簡単に(資料より)

「北海道庁旧本庁舎」は明治21年、アメリカ風ネオバロック様式のレンガ造りで北海道産の建築資材を駆使して建てられた。ところが、明治42年に火災に遭い屋根と内部を焼失してしまう。だが奇跡的にもレンガの壁は無傷で残り、明治44年再建された。昭和43年「北海道百年」を記念し復元された。それが永久保存されることになり、現在に至っている。

昭和43年は「北海道百年」の年でした、それから50年

「北海道百年」の年、昭和43年には北海道の大ニュースとなっていたのだろう。記念して「北海道百年記念塔」が建てられ、50年経った現在、その維持管理問題で存続が危ぶまれている。それら以外にも、昭和43年には「北海道百年」の一大イベントがあったに違いないが、地方に暮らし札幌居住でなかった私にとっては自分自身のことで精一杯?殆ど記憶には残っていない。

その後、教師として学校教育に関わりを持つようになると一変する。「北海道百年記念塔」や「北海道開拓記念館」(現在は名称が異なります)は「社会見学コース」に組み入れられていて、「北海道の歴史」を学ぶための子供たちにとって学習の場となっていた。引率して一緒に何度訪れたか数え切れない。

「北海道庁旧本庁舎」について、北海道民でありながらこれまで特に気にせずにいた。開拓当時からの歴史的建造物だが、上記のように正直、観光資源くらいにしか考えていなかった。本州を旅すると、至る所に歴史教科書に載っていた数百年も続いている名所旧跡が現存していて、数百年に及ぶ古い歴史に触れることが魅力的に思われた。

しかし、僅か百年という短い期間に、他都府県とは異なる歴史を歩んできた北海道。道都札幌に居住して日が浅いが、その歴史の重みをほんの少しずつ感じ取っていこうとしている。大それたことはできないが、心に止めておくだけでも大切ではないかと思う。改めて、日常生活の身近なところに建造物や景観が多く遺されていることに気づかされている。

パンデミック(世界的大流行)、「スペイン風邪」は丁度今から約百年前、第一次世界大戦の最中、数年間に及んだ出来事。その頃の北海道は、開拓が始まって僅か50年しか経っていなかった。

-日記
-,

Copyright© コマクサ|札幌円山近郊山登りとお勧めスイーツと雑記 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.