昨年の夏は本州並みの猛暑に見舞われました。まさか北海道がこれほどの暑さになるとは驚きです。道産子でありながら初めての体験に想像を絶しました。この夏もどうなるのかと考えるだけでも恐ろしくなってしまいます。「北海道新聞」の記事で下記を知り、気候変動について学んでみようと思いました。
道総研セミナー「身近な科学を学ぼう!」 北海道の気候変動
どうなる? どうする? 暮らしへの影響を知る
○ 日時:6月22日(土)13:30〜14:30
○ ところ:紀伊國屋書店札幌本店インナーガーデン
○ 講師:道立総合研究機構 鈴木啓明 主査、大屋祐太 研究職員
○ 定員:45人 (特に申し込みはなく、当日の先着順です)
初めに(司会者から)
「道総研」は、平成22年に「エネルギー地質研究所」から「総合研究機構」として研究を引き継いでいます。
過去100年の間に気温は1.75℃上昇しています。1990年代から高温が続いていて、昨年、2023年はご承知のように暑い夏でした。北海道の気温変動はどうなっているのか、夏と冬の生活への影響を中心に「気候変動で どうする? どうなる?」と題してお二人の方からお話を伺います。
「道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所」鈴木啓明 主査
既に表れ、今後予測される気候変動は、1 夏7・8月、思いの外増えている。2 冬にプラス気温になる日が増えている。3 強い雨の降る日が増えている。(1時間降水量が30㎜以上の年間発生回数を言います。)気候の将来予測は、どのように行っているのか?現在の地球上の現象を物理式などで再現し予測している。これからどうなるのか?2100年にかけて世界の平均気温は、最大5・7℃上昇 (2081〜2100年)。このまま温暖化が進む。60年後(2084年前後)に札幌の暑さは、近年の新潟と同程度になる。2100年の冬は、スケートリンクは屋内・流氷は来ない・雨の日が多くなる・最高気温10℃前後で湿った重たい雪のため傘が必要、除雪日数の予測は2℃の上昇で平均17%減少するが札幌は内陸部なので生活圏の除雪は現状通り減らない。今後もドカ雪が減ることはない。
ゼロクロッシング日数(冬の暮らしへの影響) 最高気温が氷点下、最高気温が0℃を含む日数。4℃上昇すると道路の凍結融解に伴う。ダイヤモンドダストの将来予測は、2℃上昇で変化はないが、4℃上昇で現在の3分の1に減少。緩和(脱炭素)一人ひとりの取り組みとして「ゼロカーボン北海道」「ゼロカーボンシティー」、地域をあげた取り組みが必要。現在、北海道153市町村「気候変動適応計画」で「緩和と適応」。まとめとして、既に夏に熱中症になる程の暑さ、冬の気温上昇、強い雨が予測されているので、対策が必要。
「道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所」大屋祐太 研究職員 雨の変化・国際会議G E W E X
「線状降水帯」は、積乱雲が表れると長さが50〜300km になり深夜から早朝にかけて多く発生する。局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」は、今後北海道でも増えていくと予想される。ここ数年の北海道の降水量の変化率1・4倍。
平成28年には4つの台風がきて、北海道豪雨をもたらしました。過去に北海道で発生した線状降水帯は、忠別川、石狩胆振豪雨です。
質問に答えて
今後の流氷の見通しとしては、これからも減少傾向で水産業や生態系に影響を及ぼす可能性が高いです。
夏の熱中症対策について(パンフレットより)
○ 「暑さ指数」を知ろう
21〜25℃注意 25〜28℃警戒(積極的に休憩) 28〜31℃ 厳重警戒(激しい運動は中止) 31℃以上(運動は原則禁止)
○ 道民は熱中症になりやすい
一般的に暑さ指数が28℃を超えると、熱中症による緊急搬送件数が急増しますが、北海道では26℃を超えるあたりから急激に増えています。東京を1すると北海道は4・51ととても高くなっています。涼しい北海道に住む私たちは十分に気を付ける必要があります。
○ 熱中症警戒アラートを活用しよう
令和3年4月から熱中症予防に関する情報発信「熱中症警戒アラート」が始まりました。危険度が高くなると予想されるとき、前日の夕方または当日の早朝に発表されます。外出を控える・エアコンをしようするなど熱中症予防へ対策をとりましょう。
水分をとる・塩分をとる・エアコンを使う・日陰で休む・激しい運動は控える