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日記

『「ストレスに負けず元気に暮らす 香山リカ氏」令和5年 ほっかいどう学 かでる講座』「かでる27」にて

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3年間休講していた社会人向け『令和5年度「ほっかいどう学」かでる講座』が、「かでる27」(北2西7」で開かれることになりました。令和5年度第1回目の講師はテレビやマスコミでお馴染みの「香山リカ」さんです。どのようなお話を伺うことができるのかを期待して、5月下旬というのに日中の気温が26℃もありましたが「かでる27」へ向かいました。

〜 手入れの行き届いた「かでる27」玄関前の花壇  〜

*レジメがありませんでしたので、メモ書きに沿って記載させていただきました。

「ストレスに負けず元気に暮らす〜」講師 むかわ町国民健康保険 穂別診療所 副所長 香山リカ氏

令和5年5月26日(金)「かでる27」にて

大学教授として15年、精神科医・大学の教員として東京で暮らしてきました。今は60代だが、50代になってから人の役に立つ仕事をしたいと思った。10年前に北海道に来ていて、たまたま女満別空港で偶然にも同僚にあった。彼は神奈川県出身で東京医科大学を卒業後オホーツクの小さな診療所で働いている臨床医。彼は生き生きとしていた。私はその頃、大学の研究が楽しかった。

〜 「かでる27」1階ホール前の生花〜

5〜6年前に大学病院の総合診療科に勤務していたが、週に一度臨床について勉強することができた。若い医者から教えてもらいながら何とか過ごした。科が変わるとは大変だった。コロナの影響が大きかった。オンライン授業なので、パソコンで、タブレットで。対面だと反応を見ながら行える。学生はなかなか画面に顔を出さない。オンにしない。オンライン授業なので学生もオンライン。トルコ・韓国・中国など世界各国から色々な学生が出てきた。会社もリモートワークで居住地を問わない。それで、東京にいる意味がないと感じるようになった。

中村哲さんの生き方に感銘を受けて

2019年12月、中村哲さんがアフガニスタンで5人の現地スタッフと一緒に命を落とされた。中村哲さんはアフガニスタンで医師として医療の行き渡らない地域で活動していた。貧困地域に水を引き農業ができるようにしなければダメで、灌漑の水を引こうと井戸を掘った。川の流れを変える大胆な改革を行った。その世の中に尽くした人が無惨に命を落とした。こんなに楽をしていても良いのかと思った。医師免許があるので、世の中のために使った方が良いのではないか。

当時のアフガニスタンでは受け入れられない。国境なき医師団に所属しようと思っても、さらに甘かった。申し込んだが、ものすごい倍率でハードルが高い。日常が英語で受かってもすぐには行けない。色々あって、2020年にミャンマーの病院を見に行く計画を立てた。そうしたらコロナでミャンマー行きフライトはキャンセルとなってしまった。私は必要とされていないのでは。中村先生の講演で、先生のように外国で働きたいと思っていたのに。

一隅を照らす

困っている地域は国内のどこにでもある。必要としているところで力を貸し、一隅を照らす。医療過疎で頑張っている同級生のようにやってみよう。昨年、ふとしたきっかけでむかわ町穂別に来ることになった。穂別は人口2500人くらいで、もう一人の医者と二人でやっている。二度と本州の地は踏めないと覚悟して行ったのにこの診療所のモットーは土・日はここを離れる。そうでないと燃え尽きてしまい長続きしないという理由から。細く長く行こうと基本的に月〜金曜日は24時間診療。たまに重症の患者も来て大変だが、皆さん楽しくて元気。病であっても心は元気。人間の元気って心の元気が大事。90〜100歳で入院していて寝たきりだけど元気。急に亡くなることもあるけれど。

体が弱っても元気に生きていこう

ピンピンころりではないが、入院していても気持ちは卑屈になっていない。もう長くはないというのに先のことを言うのを恐れない。何とかなる。年齢だからといって先のことを考えてやめてしまわない。計画性がない、見据えていない、無茶苦茶なことを考えるな、こんな年齢だからこんなことはおかしい、・・・では、自分自身にストレスを与えてしまう。外からのストレスは自分自身にとっては丸とは言えない。自分で自分に与えるストレスが多くはないのか。自分で自分を抑え込んでしまう、これがストレスになる。体が弱っても元気に生きていける人は、後何年生きるのかわからないので今やりたいことをやる。リカ先生も60代になってやるだけやってみようと思った。日本人は年齢に拘りすぎる。

人間は幾つになっても成長できる

記憶力は衰えるが、ある物事を結晶化させる能力は衰えない。雪の結晶のような言葉に表される通り、人間は幾つになっても成長できる。その人なりに人生の総まとめとして穏やかな気持ちが芽生える。精神学者のユングは、晩年になって仏教の曼荼羅を研究した。悪いものを無理に消さなくても良い。これがあって今の自分がある。やっぱり、80〜90歳になってこそ全部が自分の一部であって成長である。幾つになっても成長できる。年齢や立場で自分を締め付けてはいないか。

何か、普段の自分から解放させよう

今の時代、比べる手段が多すぎる。SNS、写真、インスタグラム。比べるからこそ頑張れるという気持ちになれるが、心の中で思うのは良い。自分を煽ててご機嫌にする。世の中には落ち込ませようとするものが多すぎる。大丈夫、良い線言ってるよ、と煽てる。それは自分を守るためで、周りが自分を甘やかすときは厳しくするが今は違う。謙虚さは時には、自分へのストレスになる。自分の中で自分を持ち上げる。他人の中では言わない。家族で褒めよう。口に出して言おう。自分を認めよう。自己肯定感をもとう。布団に入って眠るまで、良いことを思い出そう。リラックスしよう。過去の栄光を思い出そう。コツは良いことで止めること。

お互い様の気持ちで行こう

他人に頼ることを恐れない。頼らないと生きていかれない。笑われたら、次の人に頼む。物のお返しより言葉のお返し。誰かの役に立てた。自分の自己肯定感は目減りしていく。目減りしていたら補充してあげよう。良い気分にしてあげよう。ありのままの自分であり続けよう。

〜 通りに面した「かでる27」玄関前の花スポット 〜

*元気をいただきました

(香川リカさんのお話を伺い、胸に支えていた蟠りが取れました。コロナ禍は明るく明るくと過ごしていても後から後から押し寄せてくる気苦労多しでした。歳のせいなのでしょうか。美味しいものを食べたり、気心知れた友人とたわいのないお喋りをすると、いっとき忘れることができてもそれはほんのいっときです。何事も前向きに考えていても絶えず押し寄せてくるよる年並みには勝てません。「なるようにしかならないさ。」で、いきましょう。香川リカさん、貴重なお話をしてくださりありがとうございました。)

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