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日記

『「札幌にもアラスカにもサケは生きる」札幌ワイルドサーモンプロジェクト 市民フォーラム2023』で学び

投稿日:2023年2月1日 更新日:

コロナ禍も3年が過ぎ4年目に入ると、以前受講していた講演や講座が再開されるようになりました。マスク着用と手指消毒は怠ることはできません。この3年間ですっかり億劫になり、あえてわざわざ雪道を出かけなくてもという気持ちが芽生え始めていました。出不精になってもいけないので重い腰を上げ、北海道新聞で知った下記市民フォーラムへ赴いてみることにしました。申し込みをしていませんが、当日直接会場で申し込み先着50名でしたので早めに出かけてみました。

『「札幌にもアラスカにもさけは生きる」札幌ワイルドサーモンプロジェクト 市民フォーラム2023』

1月28日(土)午後1時〜4時 入場無料 札幌エルプラザ2階研修室1、2

< プログラム >

基調講演:ピート・ランドさん 「北太平洋における野生サケ・マスの生物学と現状」(同時通訳)

S W S P活動報告:①今年は多かった!札幌市内のサケの遡上と創成川の卵の生存状況について ②豊平川産卵床調査報告〜今年もギラはいたのか?〜 ③平和の滝に到達した琴似発寒川のサケサクラマス ④山鼻川の水が少ない!サケ・マスの赤ちゃんは大丈夫?

⑤学生発表:札幌工業高校土木科3年生 札幌清田高校2年3組8班のみなさん

⑥みんなでサケさがそフォトコンテスト結果発表:

主催:札幌ワイルドサーモンプロジェクト 共催:札幌市豊平川サケ科学館 後援:札幌市 北海道開発局札幌開発建設部  国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所 協賛:ライオン株式会社 株式会社サンセリテ札幌 協力:応用生態工学会札幌 札幌市環境プラザ

メモを取りながら

〜 基調講演 〜

ピート・ランド博士の講演は英語でオンラインでした。同時通訳された内容がスクリーン上に字幕スーパーで表わされます。アラスカ州中南部コードバ市での「サケ類の調査研究発表」でした。

ピート・ランド博士は、アラスカ、ロシア極東、北海道でサケに携わってきた。アラスカ湾、ベーリング海、オホーツク海、北太平洋周辺といった北方には自然環境が残されている。地球南部の個体群は北部より絶滅危惧種レッドリフトが多い。日本の多くのサケ類は沿岸漁業やスポーツフィッシングで捕獲される。

カラフトマスの卵は、人工授精にまわされ稚魚は放流される。北太平洋の約40%孵化事業による。水産業者が生産する缶詰めは重要な経済的産業。アメリカでは、気候変動をはじめとして生息地の環境劣化と消失が原因で捕獲量が激減している。ダムを撤去しサケが遡上できる環境を取り戻すことが必要。北海道南部で消滅していく川が多い。ロシア極東やサハリンにおける刺し網漁で多くの資源がとり過ぎで無駄になっている。

海は変化する。海水温の上昇と海洋酸性化によって海洋生物に影響を与えている。氷河の融解でカッパー川の水量が増加している。カスケード効果を伴っている。戻ってくるサケが小型化する傾向にある。アラスカにおける私たちのサケ属魚類の回遊研究は、タグを付けて放流。記録をデジタルで送信しモニタリング。早期に遡上するサケが最もエネルギーを持っている。

北海道猿払川に生息するイトウの研究は世界的に関心が高まっているので期待しています。

〜 ①について 〜

創成川のテレビ塔横でサケの目撃情報がありありました。

〜 ②について 〜

豊平川の採卵状況は、産卵床のカウントをしたところ1324で昨年の約2・3倍になった。ウロコの耳石を調査したところ6割は野生種で3割が放流種。推定遡上数2648。ギロはブナより少し小さめ。どんなサケかはまだ解っていない。

〜 ③について 〜

琴似発寒川のサケについては、2016年から調査を始め2022年産卵床の数は一番多かった。雨が適度に降り増水し河岸の環境が良かった。45〜50cmの個体が多い中で、60cmを超えるオスの個体があった。60〜65cmも多く65〜、も確認された。

〜 ④について 〜

北電藻岩発電所の保全対策が必要でリブレース工事を行うため、2022年10月から約6年間放流が止まる。11か月は毎秒1t流し続けられそうだが、1か月間は止めていないといけない、サケの生態を考えると11月に放流を止めるのが妥当と結論づけた。

〜 ⑤について 〜

札幌清田高校2年3組8班のみなさん オンラインにて 〜川を魚が住みやすい環境にしよう〜

プランクトンを増やすには川幅を広げ瀬や淵を広げる。パークゴルフ場を川に戻す。パークゴルフ場を利用している人の理解を得なければならない。緩やかな魚道をつくる。

札幌工業高校土木科3年生 〜治水と生態系確保の両立への取り組みについて〜

豊平川支流の琴似発寒川は治水的に整備されてきた川。治水と生態系確保の両立は可能だとわかった。護岸の草のあるところに魚・カニ・エビが生息していたので、土砂に草を生やす。一か月という短期間しか観察していないが、季節や期間を変えて観察するとより深まりが出る。

〜 ⑥について 〜

遡上するサケの様子を写真や動画に収め投稿したフォトコンテスト作品です。

感想として

メモが雑駁で大雑把な記録となりました。3時間に渡る発表は内容が濃く感心させられてしまいました。200万人近くの人が住んでいる「大都市札幌」の市内を流れる豊平川とその支流にサケが遡上し自然産卵する・・・。札幌市は、ニセコから中山峠そして定山渓へと続いている山並みが西側に位置しています。大都市とはいえ、稀に見る大自然に溢れているかを垣間見ることができます。

何気なく生活しているとその恵まれた環境を認識できないでいると思いますが、札幌市民は誇りを持っても良いのではないでしょうか。

「札幌ワイルドサーモンプロジェクト」(S W S P)のホームページで自由に閲覧できます。

 

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