パッチワークのように落ち葉で敷き詰められた「札幌市資料館(旧控訴館)」の裏庭に、思わず足を止めてしまいました。晩秋の佇まいの趣を醸し出して、紅葉した木々の向こうには緑を残している藤棚が映えます。
「札幌市資料館(旧控訴館)」では、季節をおって多彩な催し物が行われています。今回のメイン「耕雲の円空観音千体達成配布展」を新聞で知り出かけてみることにしました。更に、「市川雅朗小品展」や「第3回 北海道マシーネンの会」と、全く趣が異なった展示会も行われ見応えがありました。
趣が異なった展示会に、時間の経過を忘れるほど
「耕雲の円空観音千体達成配布展」
展示室に入ろうとすると高齢の従業員さんに声を掛けられました。奥様を亡くされている方でした。一体頂いても仏壇にではなく、何処にどの様にしようかと悩んでいたそうです。何気なく茶箪笥の上に小さな座布団を敷いて置いておくと、毎朝、語りかけられるのではと・・・。
千体といっても二つとして同じ物がなく、その一体一体が異なった円空観音です。「お好きな観音像をお選び下さい。」と声をかけられ頂くことにしました。日常的には宗教とは全く無縁の生活を送っていますが、素朴な観音像に惹かれ一体選ぶことにしました。微笑みを浮かべた一体です。何処となく亡くなった父母に似ているような・・・。
「厄除け円空観音」一心一仏
ネジレル フシガアル ワレガアル ユガンデイル アソビガアル ムシクイデアル タダデアル タタセズライ テズクリデアル フゾロイデアル タクサンアル ソレガヨイ コウウンの円空カンノン
「市川雅朗小品展」へ廻ってみました
特に印象に残った「人形屋佐吉」 数年前まで電車通りにあった「人形屋佐吉」を看板の眼光とオオカミの鋭い目との対比で描いたそうです。イヌではなくオオカミでした。
ジャズ演奏等の楽器演奏場面が多いので、伺ってみました。お子さんがブラスバンド部にいたので、その演奏会の印象が強く金管楽器のトロンボーンやトランペット等の楽器演奏がモチーフとして多くなったそうです。
よく見るとベニヤ板や段ボールに直接描かれた油絵です。マンション住まいになり、アトリエ部屋は6畳間。小品物や額縁の必要がない画材として、ベニヤ板や段ボールにせざるを得なかったとか。大物を仕上げる時のご自分のスペースは畳半分しかなくなると、笑いながら話されていました。気さくな画家さんで、実際にお話をうかがいながら鑑賞できました。
第3回 北海道マシーネンの会
この会場が一番の人集りです。「マシーネンの会」のイメージがつかず、つい何事か、という思いで入室してしまいました。若い男性から元若かった男性までしきりに見入っています。弟たちが子供の頃に夢中になっていたあのプラモデルです。一頃、凄いブームでしたから・・・。あまり良くわかりませんが、子供達にとって最近の一番人気はファミコンやゲームと言ったところでしょうか。
男性は幾つになっても、幼少や子供の頃に戻ることができ羨ましい限りです。自分自身この現実しかないのではと、実感した次第です。
*それぞれの会場全てが写真撮影可でした。