2年半にも及ぶコロナ禍です。立ち寄った「紀伊國屋書店札幌本店」の公開講座を受講しました。コロナに負けない心と身体を目指し、身近な「免疫」「食・栄養」の観点から・・・と、いうキャッチフレーズにひかれました。
「札幌保健医療大学第13回公開講座 コロナ禍をとおして見る健康生活」
6月25日(土)14:00~15:30 紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデン 後援:札幌市、道民カレッジ
「コロナに負けない負けない免疫力強化法」小林清一(札幌保健医療大学 学長)
このテーマの由来は、一時より恐怖心がなくなってきたようですが、コロナ感染者数を見ると収束という訳ではありません。変異株の出現により年明けから感染拡大し、今現在の感染者数は第5波ピーク時と同じくらいです。ワクチン接種や感染対策が行き届き重症者数は減ってきましたが、もう一度免疫力について見直し各家庭での取り組み方を確認する意味でテーマを考えました。
そもそも雑誌やメディアで取り上げられ一般化している「免疫力」という言葉は免疫学用語や医学用語にはありません。「免疫能」という言葉で使用しています。免疫系は外敵(病原微生物など)から生体を守るという生体防御システムです。「免疫力」とは、外敵から生体を防御する総合能力(=生体防御力、感染抵抗力)という意味で使用されているようです。
実際に医療界やウェブ上には「免疫力判定検索」や「免疫力チェック」などと健康志向の高まりの中で利用されています。免疫系には多種類の免疫細胞が多種多様な機能を発揮していますし、個人の免疫応答には多様性(個人差)があり、総合的な評価は難しいのです。
免疫力チェック表で一般的にチェックできますが、「免疫力を上げる」のではなく、「免疫力を下げている要因を改善する」意味で「免疫力」を強化するという表現を用いる方が良いです。免疫力を下げている要因とその改善法は、
①栄養バランスの乱れと暴飲暴食
一日3食、規則正しい食事
②睡眠不足と不規則な生活
ノンレム睡眠を十分にとり、成長ホルモンの分泌を促す。早寝早起きの規則正しい生活で体内時計を整える。起床時の日光浴はセレトニンを分泌させ脳を活性化させる。
③ストレス
過剰なストレスによる自律神経のバランスが乱れる。ストレス解消には趣味を見つけ楽しむこと。「笑い」(作り笑いでも可)は自然免疫を活性化させます。
④過剰な運動
適度な運動(ウオーキングなど)は免疫力強化につながります。ストレッチ、ヨガ、マッサージなどで体温をゆっくり上げよう。
⑤冷え
体温1℃の低下は、免疫力約30%減に相当します。
~コロナに関しては、ワクチン接種が免疫強化法です。~
「家庭で囲む食卓コミュニケーションのすすめ」百々瀬いづみ(保健医療栄養学科 教授)
○心に「栄養」を与える食事
食卓は、至近距離(1m程度)のコミュニケーションの場。会話を楽しみ、話を聴き、感謝や愛情を伝える場。「魔法の調味料」を使って、「おいしさ」を伝える場。
○孤食(一人食べ)の利点・欠点
利点として 好きなときに自分のペースで好きな物が食べられる。周囲からうるさいことを言われないなど。
欠点として 食事が楽しくない、食べることに興味がわかない→食欲減少・食品数減少・食事量の減少→不健康へ。
○食卓を更に「おいしく」する6つのポイント
①味 基本の五味(甘味・酸味・塩味・苦味・旨味)のバランスが取れている
②彩り 素材の色や盛り付け方
③風味・食味 冷たい物は冷たく、温かい物は温かく
④食べやすさ
⑤演出・愛情 目で「楽しい」、心が「楽しい」、家事が「楽」
⑥「おいしい」と感じられる心身の健康
~食卓を心の栄養で満たそう。~
受講後、感想として
小中学生にとっては楽しいはずの給食時間が、コロナ禍では「黙食」、ただお腹を満たすだけになっているのは非常に残念です。致し方ありませんが、「食べる」とは心をも満たす意味でも大切です。机を向かい合わせに並べお互いの顔を見合わせながら食べられ、給食時間が楽しい一時であると思われる日が早く来ますように。友達通しで顔を見合って食することは、学ぶことができるコミュニケーションの場の一つとして。勿論、口に物を入れながら話すのは御法度ですが。