DSC_5065

日記

「札幌の文化財を巡る」北海道文化財保護協会 創立60周年記念 文化財トークショー 紀伊國屋書店札幌本店にて

投稿日:

創立60周年を迎えた一般財団法人北海道文化財保護協会の提唱活動として文化財トークショーが「紀伊國屋書店札幌本店」にて開催されました。「札幌市時計台」など札幌市内の主な文化財の紹介並びに文化財の重要性と保護意識の啓蒙を図る目的で行われました。

最近受講を始めた「道民カレッジ」に内容的が関連していますので、参加してみることにしたのです。実際にはかなり以前に行われる予定だったこのトークショーは、コロナ禍が少し落ち着いてきた今、2時間予定の内容を1時間に短縮しての開催となりました。

【紀伊國屋書店札幌本店前の花壇】

創立60周年記念文化財トークショー「札幌の文化財を巡る」10月17日(日)

 

○講師:北海道文化財保護協会副理事長 田山修三さん(自己紹介では、元札幌市立小学校校長先生で現在、文化財の出前講座や絵手紙の指導等を行っている方です。)

○コーディネーター:エッセイスト たかやまじゅんさん

縄文遺跡分布略図より

「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されました。札幌市には大規模な遺跡はなく残念ながら入ってはいませんが、札幌市の丘陵地帯には多くの小規模遺跡が確認されています。清田区、豊平区、手稲区、西区、南区など、遠い昔に内陸まで海が入り込んでいたことが窺われます。工事をしていると偶然遺跡発見されることが多く、縄文人が住んでいたことがわかるそうです。数年前に桑園小学校の校舎が新築されましたが、グラウンドに遺跡がありました。北海道立北高等学校も同様です。

遺跡年表

北海道の時代区分は、旧石器時代と縄文時代は同様ですが江戸時代まで本州の時代区分とは異なります。弥生時代・古墳時代・飛鳥時代→続縄文時代、奈良時代・平安時代・鎌倉時代→擦文時代、(続縄文時代と擦文時代はオホーツク文化期)室町時代・安土桃山時代・江戸時代→アイヌ文化期。

正直、小学校の歴史学習では北海道の江戸時代までを上記のように押さえていなかったように記憶しています。過去には縄文時代は野蛮な時代?と捉えられていましたが、最近の様々な書物によると価値のある時代と評価が変わり見直されています。

 

【写真は田山修三さんが小学校の校長先生当時卒業生に贈った絵手紙が、模造紙に描かれています。写真でははっきりわかりませんが、かなり繊細に描かれた絵手紙で素晴らしい!】

文化財見学のポイント

『鳥』の目で全体を見よう

建物や周り全体を見ると、外観から多くのことがわかります。和風、洋風、和洋折衷の建物か、木造、レンガ造り、石造りなど。

『虫』の目で細部を見よう

細かな部分をしっかり見ることで、建物の構造やデザインなど「なるほど!」と納得することがいっぱい。

『時間』の目で歴史を巡ろう

文化財は歴史を抜きに語ることはできません。由来や込められた願いなどがわかると、見方も違ってきます。

『人』の目で人の営みを紐解こう

文化財は、先人の人々の営みの足跡です。建物や遺物の陰にはたくさんの人々の営み、工夫、努力があります。様々なエピソードや歴史的秘話などを人の視点から文化財を調べると魅力がさらに増します。

「国指定重要文化財」の代表例として、「旧札幌農学校演舞場(札幌市時計台)」

「日本最古の時計台」を標榜してきた辰鼓楼(兵庫県豊岡市出石町)は廃藩置県直前1871年の建築。出石城の石垣を基礎として城を壊した廃材で楼を築き、屋根の下で太鼓を打って時を告げていました。1881年9月8日に機械式大時計が寄贈され楼の頂上で鐘を鳴らし始めました。札幌の時計起動と同じ年で「最古」とうたっていました。ところが「札幌市時計台」の8月12日より27日遅いことがわかり最古の座を札幌に譲ったそうです。

「札幌市時計台」の2階には天井がなく、小屋組(屋根を受けるための骨組み)が露出しバルーン・フレーム構造といわれる形式で造られています。機械は鳩時計と同様の振り子時計で、動力におもりを利用しています。おもりは豊平川の玉石を木箱に入れたもので、重量は動力用約50㎏、鐘用が約150㎏。おもりの巻き上げは、電力ではなく現在でも人力で3日に一回行われているとか。

トークショーを終えて

コロナ禍で、2年近くこのようなトークショー等そのものが開催されませんでした。今回も2時間予定されていた内容を1時間に短縮して行いましたので、要点のみの印象が拭えません。けれどもコロナ禍6波で何時活動が再び制限されるようになるのかはわかりません。札幌に在住し日が浅い身にとっては、ウオーキングで目にする歴史的建造物に興味が湧いてきます。できる範囲で今日のような体験をしていきたいと考えています。

手稲山の初冠雪、中山峠では吹雪や降雪と寒気が北海道を覆っています。冬に向かって季節が移ろう中、帰り時、一段と寒さが身にしみてきます。寒さにめげず、自分自身のこれからの目的意識がはっきりしてきたのは励みとなります。

-日記
-,

Copyright© コマクサ|札幌円山近郊山登りとお勧めスイーツと雑記 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.