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日記

「武内陶子のごごカフェ NHKラジオ第一」から「全国ご当地お漬物」

投稿日:2020年9月27日 更新日:

「武内陶子のごごカフェ NHKラジオ第一」は月曜日から金曜日の午後12時半~4時に放送され、祝日を除き曜日ごとに特集がある。木曜日はローカル系で、9月24日(木)は自称漬物マイスターの「柳沢博幸さん」による「全国ご当地お漬物」談議である。お漬物大好き人間としては聞き逃せない。

「柳沢博幸さん」のプロフィール:1970年生まれ 50歳、30年で1000種類以上の漬物を食し、築地市場の漬物卸問屋で20年働いた経験を持つ。現在は独立し、東京千駄木「やなぎに桜」の店主。常に50種類を置いて販売している。

漬物はメーカーや土地に寄って無尽蔵に変わる。実家は近海物を扱う魚屋だったが、漬物屋にバイトをした経験があった。オーストラリアに留学し英語が話せるようになると世界が身近になったが、ローカルに戻りたくなり漬物卸問屋へ。主に、高級料理店や居酒屋チェーン店が取引先だった。

知れば知るほど提案ができるようになり更に勉強を重ねた。日本史上の漬物は弥生時代にウリの塩漬けが確認されている。木片に記されたのは平安時代。書物「延喜式」に野菜の種類と塩について記されている。宮中等一部の人達の嗜好品であり、朝鮮半島との交易が始まる以前は塩漬けだった。

その後、酒粕などの醸造漬けが出て来る。京都や奈良は交易の中心であった。現在でも当地には粕漬けや醤油漬け等と、多種類ある。江戸時代になると漬物は香の物として庶民に親しまれるようになった。

東北はお漬物天国

漬物は日本列島の南北で分けられる。南の地域には冬といっても短いのでおかず的要素が強く、北の地域は保存食としての意味合いが強く必死さが表れ、冬期間の食料として欠かせない。

『秋田』「いぶりがっこ」は大根が代表的。冬になると晴れの日が減り雪の日が多いため、外に干すことができず囲炉裏に干した。「がっこ」とは漬物の意味。何でもありで、いぶしてから糠に漬け込む。ポテトサラダや納豆に入れると美味しい。

『山形』名産が多い。南陽市「小なすの浅漬け」、鶴岡市「赤かぶの甘酢漬け」、尾花沢市「ペトラ漬け 」塩水に漬けて乳酸発酵し白ナスのようになったナスを唐辛子に漬ける。私的には山形県の漬物、「だし」が好きでこの夏場によく作っていた。

きっかけは市販されていた「だし」が何となく作れそうに思い、似た味になるように工夫してみた。きゅうりやナスを5ミリ角くらいに刻み、そこへ細かく切った生姜、ミョウガと醤油、砂糖、酢をお好みで入れて混ぜる。2~3時間ぐらいで食べ頃になり、冷蔵庫で4~5日保存が利いたので夏場には打ってつけだった。何故、「だし」というのかは定かではない。

関東

『秩父』「しゃくし菜漬け」(しゃくし菜はチンゲンサイの仲間で約5倍の大きさで40から50センチメートルにもなる)古漬けにして食べる。塩漬けで乳酸発酵したものを醤油漬けに。高知では高知菜と言われている。

『東京』「べったら漬け」大根の麹漬けで麹の甘さがある。

北陸信越

『長野』「木曽しんき漬け」塩を使わない。山間部なので塩は貴重だった。そのまま乳酸発酵して食べる。根を食べた後のかぶの葉の漬物。大豆からの発酵液を使っている。プレーンヨーグルトのような味で味噌汁の具にしたり、そばのつけ汁に入れて野菜として食べる。

『石川』「かぶら寿司」カブとブリをサンドして米麹に漬けたもので、なれ寿司のようなもの。(『富山』でも盛んに作られている。立山登山の時に宿泊所が「ます寿司」を弁当に持たせてくれた。本州の夏場に魚介類を?と、驚いたがその心配はなく、山頂で美味しいく頂いた。)

中部地方は西と東のミックス、いいとこ取り

『名古屋』きぬかわ漬け 沢庵で東京のべったら漬けと似ている。米糠ではなくふすまという麦糠で漬けるので甘くて香ばしい。麹漬けではないが甘さがある。

中国地方

『山陰』ラッキョウ漬け 早くから大陸との交易があったので影響を受けている。ラッキョウは中央アジア原産。

『山陽』冬に取れた広島菜(白菜の仲間)を春に食べる。浅漬けから古漬けへと楽しむ。京都の影響が大きい。「日本三大菜」は、広島菜、野沢菜、高菜。

九州

「高菜漬け」からし菜の仲間でピリ辛。海苔代わりにご飯を蒔いて食べると美味しい。北の地方のように冬の保存食ではなく楽しんで食べるという意味合いがある。

これからの漬物

実際の消費量は右肩下がりである。漬物は発酵食品で健康に良いためヨーロッパで注目してくれる人が多い。「いぶりがっこ」や「野沢菜」に人気がある。

お手製?簡単浅漬け

お漬物大好き人間の一人だが、一人暮らしでは敢えて手間のかかることは全くしない無精者でたくあん漬けなどもっての外?数年前の旅行地で買い求めた「芽かぶ入り あさ漬け塩 国内産焼塩」で、さっとあさ漬けができ重宝している。「芽かぶ入り あさ漬け塩 国内産焼塩」は山梨県南都留郡富士河口湖町 株式会社長登屋製で、原材料は食塩、芽かぶ、カツオ節、唐辛子、調味料。

袋の裏に調理法が記載されていて、きゅうり、大根、人参、キャベツ等をビニール袋に入れ本品を適量加え、軽く振ってもみもみして1時間ほどで出来上がり。そろそろ残り僅かとなってきたので、お求めに旅をしたいと思いつついる。「塩こうじ」はよく作っていて、さっとできる漬物には大活躍している。発酵食品は健康に良いため、お手軽にできるものは色々確かめている。

子供の頃のお漬物

子供の頃、冬になると隙間風が吹き込んでくるような家に住んでいた。その頃、母が作る沢庵、白菜漬け、鰊漬け、鮭の飯寿司が美味しかった。11月になると、どこの家でも100本近くの土付き大根を洗い、10本くらいずつ縄で縛ったものを暖簾のように軒下に吊し天日干しする。大根がしんなりすると干し上がり。

家を建て替え温かい住まいになると、どうも変わってしまった漬物の味。やはり、隙間風が吹き込む家の温度が漬物に合っていたのだろう。

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