日記

『「うつ消しごはん」タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる 藤川徳美著 (精神科医)』を読んで

「はじめに」 食事の摂り方、栄養の摂取の仕方は心の健康に影響を与える

著者は「精神科医」としての立場からタイトルが「うつ消しごはん」とあるが、本書を読み進んでいくと日常の食事の中でどのような栄養素が必要であるか、これまでの常識的な考えを覆す事柄が唱えられている。「医療は栄養摂取を軽視してきた」ことの非を痛感している、で始まる。栄養はたくさん食べると満たされるのではなく。必要な栄養素を摂取していないと栄養失調になってしまう。

食の細い女性や高齢者は食べる絶対量が少なくて起きる量的な栄養失調が多く、必要量は満たされていても栄養不足が理由で不調が起きる質的な栄養失調の違いがある。精神的な不調を訴える人は後者となる。質的な栄養失調とは、「糖質過多+タンパク不足+脂肪酸不足+ミネラル不足」で、普通にバランス良く食べている人は全員この質的な栄養失調状態にある。

「はじめに」のこの部分がかなりショッキングであった。まさか、これまではかなり気を付けてバランスよく食べているつもりでそのような心配はないと思っていた。「タンパク質と鉄分が大事」や「糖質は控える」と、栄養のことから話始める精神科医は珍しいのではと、自ら記しているほど。

病気がよくなることを完治というが、薬で症状をコントロールできているけれど、薬を止められない状態を「寛解」といい精神科治療ではここまででよしとするようだ。しかし、筆者はこれを疑問視し完治を目指す治療として栄養療法を取り入れた。食事の摂り方、栄養の摂取の仕方は心の健康に影響を与える。

第一章 うつ消しご飯ー肉をたくさん食べなさい

タンパク質をたっぷり摂りなさい

タンパク質と鉄をたくさん摂ることが大前提で、私たちの筋肉、骨、皮膚、臓器、髪の毛は全てタンパク質からつくられているだけでなく、血液、代謝酵素、消化酵素、ホルモンもタンパク質を原料にとしてさまざまな役を演じている。基本的な生命維持には欠かすことができない物質で、心の健康、神経伝達物質の原料にもなっている。

体の中のタンパク質は分解と合成を繰り返し、新しい細胞と古い細胞が入れ替わる。胃や腸そのものもタンパク質からつくられているので、不足すると健康的に働かなくなる。タンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできているが、体内で合成できない「必須アミノ酸」は、必ず食べ物から摂らなくてはならない。「必須アミノ酸」9種類のうち一つでも必要量に満たないものがあると、最も少ないアミノ酸に準じた量しかタンパク質がつくられない。

初めて知ったことで、この事柄で納得した。だから、たくさん食べるためには、効率的に摂る必要がある。お腹いっぱい無駄なものばかり食べていると、質的な栄養失調になってしまう。「植物性タンパク質」より「動物性タンパク質」の方がプロテインスコアが高い(詳細は本書データーp28をご覧ください。)。

女性は鉄をどんどん摂りなさい

女性のうつ・パニックは「鉄不足」が原因。病院に行くほどではなく、だるい、おもい、つらい、いらいらする、頭痛がする、元気が出ないなどの不定愁訴は鉄不足の影響が大きい。他国の女性、特に欧米の女性は鉄不足はない。鉄分を多く含む肉を日本人の3倍ほど食べるし、小麦粉に鉄が添加されるなどの鉄補給対策がなされている。女性は鉄不足になる事が前提で、鉄補給対策がなされているとは。日本ではなぜ問題になっていないのかが不思議だ。声を上げるべきだと思う。

「ほうれん草」「プルーン」「ひじき」を食べていても、とても足りないそうだ。やはり、「肉」に勝るものはない。鉄不足は「貧血」ばかりが問題にされるが、「血液の赤血球の合成」の役割以外に神経伝達物質のセロトニン、ドーパミン作成の際の補因子となる。鉄は体内で発生する活性酸素を除去する。こうした基本的な生命活動エネルギー代謝に必要不可欠。

肉は何をどのように摂ればいいのか

鉄が含まれている肉の赤身を毎日200g食べるのが理想的。同じ量のタンパク質を摂取するためにはサンマなら3~4匹必要となる。肉なら種類も豊富で多様な料理法がある。牛肉にはタンパク質と鉄がたっぷりで亜鉛などのミネラルも豊富。豚肉でビタミンB1が摂れ、料理のバリエーションも多い。鶏肉は消化が良く、イミダペプチドがムネがムネ肉50gに200mgと豊富に含まれている。イミダペプチドは疲労回復に効果があると言われている。ラム肉や馬肉にもタンパク質が豊富。調理を工夫して、毎日肉を摂取していく必要性を感じた。頑張って200g。

第二章 うつ消しごはんー明るい食事の習慣術

質的な栄養失調から抜け出す方法

アメリカ牛には、エストロゲンなどのホルモン剤や抗生物質が使用されており、がんのリスク指摘されているので、できるだけ避ける。日本、ヨーロッパ、オーストラリアは比較的安全と言われているので、安全な産地のものを選ぶ。これは最近、よく言われていることで、スーパーではアメリカ産牛肉が格安なのでかえって気を付けた方が良いと思ったほどだ。

食品添加物だが、しっかりタンパク質を摂り、解毒作用などの内臓機能がきちんと働くようにすれば、多少の添加物で体は悪影響を得ない。できるだけ加工食品を避ける努力は必要。「卵は一日一個」と言われ、コレステロール値の高い私は頑なに守ってきた一人だが、今は、そのコレステロールが必要で複数個でも大丈夫。肉の苦手な人は5個でも。卵にはまんべんなく栄養が含まれているので、心の健康にも良い。しかし、生卵はビタミンを破壊する働きがあるので、控える方が良い。

マグロ、カツオの赤身の魚は良質のタンパク質と鉄が豊富だが、水銀などの蓄積量が多いため頻繁に食するのは要注意。サンマやアジの必須脂肪酸、タラやカレイ、タコやイカの降血圧作用、肝臓強化作用、視力回復作用のあるタウリン、鮭の抗酸化作用のあるアスタキサンチン等、魚も貴重なタンパク源である。

更に、貝類にもタンパク質と鉄は豊富。アサリやシジミのアミノ酸とコハク酸、鉄、亜鉛、カルシウム、リン、銅、マンガンなどのミネラルも豊富。「動物性脂肪は悪い」という言説も間違いでバターやラード、生クリームは積極的に摂った方が良い。これまで、「動物性脂肪は悪い」と思い込んでいた私は目から鱗。

「まごわやさしい」

これは良く言われていて、私も心に留め実践していることの一つである。ま:豆類(タンパク質、マグネシウム)大豆、小豆などの豆類、納豆、豆腐、油揚げ、みそなどの大豆加工品 ご:ゴマ、ナッツ(カリウム、マグネシウム、ビタミンE、リグナン)アーモンド、ピーナッツ、くるみ、ぎんなんなどのナッツ類、タンパク質、脂質、ミネラルが豊富で抗酸化栄養素を含む

わ:わかめなどの海藻類(マグネシウム、ヨウ素、クロム)ひじき、のり、昆布、もずく、食物繊維が豊富、新陳代謝を活発にする や:緑黄色野菜(ベータ―カロテン、ビタミンC、ビタミンB群、クロム) さ:魚(タンパク質、オメガ3、ビタミンA、ビタミンB群、亜鉛)血液をサラサラにする働きや疲労回復効果

し:しいたけなどキノコ類(ビタミンD)ビタミンやミネラル、食物繊維の宝庫 い:いも等根菜類(カリウム)ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、こんにゃく等、食物繊維が豊富で腸内環境を整える働き。毎日摂るのは大変であっても、一週間スパンで考えるとよいかもしれない。

第三章 うつ消しごはん―糖質と悪い脂質を減らす

砂糖や白米、小麦粉などの白い糖質を食べると血糖値は直ぐに上がり、それを抑えようと体から忽ちインスリンが分泌される。すると、血糖値が下がり低血糖になる。血糖値を上げるホルモンの合成にビタミンB群、亜鉛、ミネラルが必要になりどんどん使われ不足してしまう。うつ、パニック障害を起こしやすくなる。この件については私自身、充分に心当たりがある。

精製糖質はがん細胞の好物でもある。糖尿病、膠原病も糖質が原因の一つ。鉄不足の人は甘いものを欲しがる。糖質でエネルギーをつくる回路の方で、エネルギーを作ろうとする。過食症は、タンパク質と脂肪が不足していて甘いものを欲する。鉄不足は入ってきた燃料を使えないため、甘いものを欲する。

狂った脂肪は即やめなさい

トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)はNG。トランス脂肪酸は、植物油などからマーガリン、ショートニングなどを製造する際や、植物油を高温にして脱臭する工程で生じる。体に害をもたらす悪玉の脂肪。トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高い。欧米諸国ではある一定以上のトランス脂肪酸を含む製品を販売禁止にしている。

しかし、日本では野放しの状態。この話は以前から知っていたので、気を付けていた。市販されているパン、クッキー、カステラ類に多いので、買う時には袋の裏側の原材料を注視するようにしている。一流菓子メーカーでも多いので、要注意。自衛するしかない。サラダ油にも含まれているようなので、私は以前から買ってはいない。専ら、少々高価だが、オリーブ油が重宝している。健康を害することを考えるとバターやえごま油も良い、少々高価だが。

第四章 メガビタミン療法の勧め

サプリメントなので、本書をご覧ください。

第五章 栄養改善による症例集

○「高タンパク、低糖質食+鉄」でうつ病は完治する ○「職場の人間関係で体調が悪い」と訴える人は、実は栄養状態が悪い ○最も典型的。鉄・タンパク不足を伴うパニック障害 ○鉄・タンパク不足で頭が回らない女性もすっかり回復 ○パニック発作に苦しむ女性がプロテインで回復 ○本を読んで受診した貧血+うつ病女性、1年弱でほぼ完治等、症例多数。詳細は本書をご覧ください。

甘いものを欲する私自身、鉄不足なのかもしれない。本書でそれを実感した。「まごわやさしい」をずっと実践してきてはいるので、更に、できるだけ鉄分の多い食品と肉食に切り替えていこうと思う。そして、脂についてもマーガリンとショートニングを避ける生活は続けていこう。本書は読みやすく大いに参考になったので、合わせて二回も読んでしまった。一回目は30~40分で、二回目は重点的なところに付箋を貼りながら熟読した次第。

本書「うつ消しごはん」は、「うつ」のみならず、食生活を改善することでより良い身体づくりとそれに伴う健康な生活ができることへの道標となっていく。これまでの、食物への謂れを覆しながら。

 

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