日記

「円山登山」黄色い落ち葉と黄色い歓声で

投稿日:2019年10月26日 更新日:

商店街の歩道を登山口へ向って歩き後ろを振り向くと、落ち葉の塊が渦を巻きなが私の方へやって来る。他のところは風など吹いていない。つむじ風かミニ竜巻か。

巻き込まれないように慌てて横に移動し眺めていると、程なく消えてしまった。登山道へ差し掛かるとさすがに辺りの木々の紅葉が進んでいる。登山道は一面、ゴールドのジュータンを敷き詰めたような黄色い落ち葉。「どうぞ、このジュータンの上を歩いて頂上へ。」と、誘われるように進む。数日前に登った藻岩山の登山道もここまでジュータン状ではなかった様に思われるのだが。

ゴールドのジュータン上を登っています

この時間帯によくお会いする高齢男性が下山してきた。いつもの紺色のジーパンを身に着けている。お元気そうだ。黄色の落ち葉の中に一際大ぶりの葉、ほうのきだ。

もう茶色に変化していて、岐阜県高山へ旅行した時に、名物料理「ほう葉焼き」を頂いた。独特の甘辛い味噌で味付し、ほう葉に包まれた食材が炭火で美味しく焼かれる。この葉を見ると思い出す。二人の中年女性が下りてきた。いつもながら姦しい。

黄色い葉ではなく、黄色歓声が

遠くの方で黄色い歓声が交差している。ふと立ち止まると、三人の保育士さんと年長さんらしい20人くらいの子供たちが近づいてきた。「階段があって良かったね。」と、下山時の階段に気を付けながら下りてきた。立ち止まって彼らが下りるのを待つ。

「こんにちは。」と、お互いに挨拶を交わしていると「おばさんだ。」という声。「ええ、そんな。」と、困っている保育士さんに「おばあさんでなかったから大丈夫ですよ。私は殆ど、おばあさんですから。」と、笑ってしまった。「頂上は風が冷たいよ。」と、話しかけてくれた子。そんなあどけない子供たちを微笑ましく思いながらゴールドのジュータン上を進む。

子供たち中心の団体に出会うと、「何かあっては大変だ。」というご時世に、付き添いの保育士さんのご苦労を思う。この様な体験をさせること自体、悪いはずがない。保育園は勿論、保育士さんたちに敬意を表さずにはいられない。黄色い歓声が少しづつ遠ざかってしまった。

頂上では冷たい風が吹き抜けて

頂上では、先ほどの子供たちが教えてくれた通り、時折冷たい風が吹き抜けていたので早々に下山する。葉が敷き詰められたゴールドのジュータンとはいえ、葉の一枚一枚には樹木の種類によって違いがある。下山時はどうしても足元ばかりを見てしまう。たまに混じっている紅葉した楓の葉が一際目立ち、かえって可愛いらしさを感じてしまった。

落ち葉に感動ばかりしてはいられず、足元には要注意。石や岩、滑る枝がないのかどうかが隠れていて見えないのだ。背後から、急に「こんにちは。」と、声がした。若い女性だったが、あっという間に姿が見えなくなり下山してしまった。私もスピードアップを試みたがすかさずやめる。

こんな所で競争心がかきたてられたが、年甲斐もないし無理は禁物だ。そういえば、今日はリスに会っていない。もう、冬への備えは終わってしまったのだろうか。落ち葉を踏み締め、ふと寂しさを感じながらひたすら登山口へ向かう。小さな水路を落ち葉がゆっくりと流されていくのを見ながら。

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