日記

「中島公園」は四季折々に花の見ごろを迎え爽やかな季節となりました

投稿日:2019年5月14日 更新日:

     
5月の第二日曜日は「母の日」である。2~3週間に1度、夫が入居しているグループホームへ面会に出かけ散歩をしたり昼食を共にしていで、たまたま今日は重なってしまった。
あんなに足腰が達者だった夫であるが、目に見えて弱ってきているのがわかる。何とか車椅子生活になるのを遅らせようとできるだけのことを考えている。夫の面会時にはほとんど息子が一緒に行ってくれるので有難い。
朝から夫の好物のお赤飯を炊いておやつ代わりにと小さなおにぎりを数個作った。
「母の日」だからとはいえ、何々をしてもらうのではなく、「こんな妻や母親なのにお世話になっています。」という家族へのお礼の気持ちを表しても良いと聞く。私は正しくそちらである。

さあ、今日の散歩はどこまでにしようか。
予め、いくつかの場所を候補に挙げながら、毎回同じところにならないように夫の体調と反応を見ながら決めている。
そして、バスや市電に乗り降りする時の段差も気になるので、なるべく歩き通せるところでと思う。

「こんにちは、高橋です。」と、ホームへ入っていくと職員さんが「ほら、高橋さん、ご家族さんだよ。」と、声を掛けて下さっている。
こんな時、夫は「どちらさん、さあ知らないな。」と、必ず答える。夫に妻であることを忘れられ10年近くになった。
最初のうちは、「何で忘れてるの、結婚して40年も経つのに。」と、泣き喚いていた。
しかし、徐々にそれを受け入れられるようになってきたというのに、「ふん、また忘れているよ。折角来たのに。」と、人間ができていない私は毎回少々腹立たしい気持ちになる。

気分を変えて、「さあ、中島公園にしようか。」
普通に歩くと20分くらいで行けるが、つまづかないようにのんびりのんびり。きれいな八重桜を発見すると立ち止まり、鴨かも川の水辺にたたずんだりして、1時間くらいで到着。
花壇の花が整備され、木々の緑と心地よい風。日本庭園には、たった一輪ではあったがシラネアオイそしてニリンソウやスミレが咲いていた。ちょうど枝垂桜は花を終える頃であったが、この優雅さが好きである。
池のほとりから中を覗き込むと、魚が群れをなして泳いでいる。ウグイなのかフナかは定かではなかった。
そして、ちょうど3羽の鴨がほとんど同時に急に飛び立ったり水面に着水したり、まるで小型飛行機が発着する時のようなすばやい動きに見とれてしまった。

今日の昼食は夫の好物である蕎麦にした。食するのに時間がかかるようになった夫を、一人で食べられるように見守りながら。

帰り道、年齢を聞くといつも35歳の夫に、息子と釣りに行ったこと、スキーを滑ったこと、卓球をしたこと等、その年齢の頃の思い出を語りながら歩いた。
途中、公園で一休み。昼食を取ってからあまり時間が経っていないにもかかわらず、お赤飯を見せると食べてくれた。好物だったお赤飯を憶えていたようだ。

グループホームでの帰り際、夫はお名残惜しい雰囲気を漂わせていた。面会をして、5回に1回はこういう日もある。
散歩時、転んでは困るのでいつも手をつないでいるし若い時の話で少し記憶が蘇ったのか。
認知症の人は全てを忘れているようで、一番楽しかった年代の記憶は残っていると言われているし、さらにスキンシップのような心地よさを受け入れてくれるとか。
そして、今思うには、会いに行くと必ず「どちらさん、さあ知らないな。」と言うのも、口数の少ないテレ屋な夫の回りに対するテレ隠しなのかもしれないと、その時思った。

まもなく6月になると、中島公園の藤棚が見ごろとなるし、めずらしく黄色い花が咲く藤の木がある。
そして、7月には池の辺のアジサイがしとやかに咲き四季折々に花々の移ろいを楽しむことが出来る公園である。

今日は、母の日。息子が和風スイーツをプレゼントしてくれた。迷惑ばかり掛けている私にとってはもったいないことである。
そして、数日後、離れて暮らしている娘と孫から手紙や京都と伊勢のお茶をプレゼントされた。有難い。

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